■パソコンで入力できる約物(4)

ここでは、パソコンで入力できる約物(やくもの)のうち、「しるしもの」について説明します。

1. しるしもの

しるしものには、次のようなものがあります。

しるしもの
記号類よびかた*シフトJISのコード番号たてぐみでの使用
番号記号、井げた8194
アンパサンド8195
星印、アステリスク(スター)8196
§節記号(セクション、章標)8198
白星8199
黒星819A
丸印、白丸819B
黒丸819C
二重丸819D
ひし形819E
黒ひし形819F
四角81A0
黒四角81A1
三角81A2
黒三角81A3
逆三角81A4
逆黒三角81A5
米印81A6
郵便記号81A7
右向矢印 81A8
左向矢印81A9
上向矢印81AA
下向矢印81AB
げた記号(ゲタ)81AC
シャープ81F2
フラット81F3
音符81F4
ダガー(短剣符)81F5
ダブルダガー(二重短剣符)81F6

*「よびかた」は、「JIS X 0208:1997(7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合)」(日本規格協会『JISハンドブック 情報処理 用語・符号・データコード編』日本規格協会 1999年)の「日本語通用名称」にしたがいました。( )のなかに入れているのは、出版・印刷業界などで使われている通称です(日本エディタースクール編『標準 編集必携』〔日本エディタースクール出版部 1987年〕、デザイン編集室編『編集ハンドブック第6版』〔ダヴィッド社 1999年〕を参考にしました)。

しるしものについては、たてぐみでの使用に制限はありません。

2. しるしものについての豆知識

しるしものについての、ちょっとした情報をまとめておきます。

◆「ばつじるし」は「かける記号」で代用する

「まる」はあるのに「ばつじるし」がない……と思っている人もいるかもしれませんね。ばつじるしは「かける記号」=「×」で代用してください。

◆「〓」ってなに?

「〓」(ゲタ)は、かつて、鉛の活字を使って印刷していたときの記号です。原稿が読めなかったり、活字がなかったりする部分には、ゲラ(校正ずり)の段階で、活字を逆向きにさしていました。そうすると「〓」の形が印刷されたんです。

つまり「〓」は、活版印刷の時代、“ここはあとからちゃんとした字を入れる部分ですよ”という意味を表していたんですね。パソコンを使うようになったいまでは、入力できてもあまり意味のない約物です。ただ、日付など、あとから確定するような部分に「〓」を入れておく、という使い方は「あり」でしょう。

◆ダガーやダブルダガーは物故者や没年に使う

「†」や「‡」は参照符として使われるほか、物故者や没年を示すときにも使われます。装飾的な意味で使うのは、避けたほうがいいでしょう。もっとも、学術専門誌では、執筆者名に参照符としての「†」をつけていることもよくあります。あまり気にしなくてもいいのかもしれません。