■パソコンで入力できる約物(5)

ここでは、約物の入力方法と、まちがえやすい約物について説明します。

1. 約物を効率よく入力するには?

「」などのように、キーボードから入力できる約物はかぎられています。

「かっこ」で変換した候補の画像 直接的に入力できない約物は、たとえば、「かっこ」「きごう」「ずけい」で変換するといいでしょう。いろいろな約物が候補として表示されます。

図は「かっこ」で変換したところ。ただ、不等号が候補として表示されてしまうのは、はっきりいって、かんべんしてほしいですね。

なお、図の候補で、不等号の下に表示されているのは、ダブルミニュートです。

シフトJISのコード番号を入力して[F5]キーを押す、という方法もあります。こうすると「IMEパッド」が表示され、目的の約物のところにマウスポインタが移動してくれます。そのままクリックすると、約物が入力できます。

IMEパッドの画像

なお、ウィンドウズのかな漢字変換ソフト「MS-IME」のヘルプには、「入力しにくい文字の入力」という項目があって、この項目のなかに「特殊文字入力の一覧」があります。ここを見ると、「。。。」で変換すると「…」が入力できる――などといったいろいろな入力方法が書いてあります。見ておくと便利でしょう。

MS-IMEのヘルプの画像

2. まちがえやすい記号類

かたちがよく似ているために、まちがえやすい記号類があります。表にまとめておきました。

まちがえやすい記号類の例
記号類入力方法
ー(音びき)文字キーから入力
−(マイナス)テンキーから入力
‐(ハイフン)「はいふん」で変換
―(ダーシ)「だっしゅ」で変換
#(いげた)文字キーから入力
♯(シャープ)「しゃーぷ」で変換
○(白丸)「しろまる」で変換
〇(漢数字のゼロ)「ぜろ」で変換
<(不等号〔より小〕)文字キーから入力
〈(やまがた、やまかっこ)「(」で変換
>(不等号〔より大〕)文字キーから入力
〉(やまがた、やまかっこ)「)」で変換

◆音びきとマイナス

音びき(長音記号)のつもりでマイナスを使っている例は、いまだにたくさんあります。音びきのところに、どうしてマイナスが入力されるのか、私にはよくわからないんですが……。くれぐれもまちがえないようにしてくださいね。

◆マイナスとハイフン

たてぐみにしたマイナスとハイフンの画像 半角の「-」は、マイナスとハイフンの両方を表す記号です。ですから、「DVD-RAM」と書いても、「-0.98%」と書いても、どちらも問題はありません。

ところが全角では、ハイフンとマイナスを表す記号は、それぞれ別になっています。

たとえば、たてぐみで全角英字を使いたいとき。「DVDRAM」ではなく、「DVDRAM」と書きましょう。こんなふうに書けば、たてぐみでちゃんと印刷することができます。左の図を見ればわかりますよね。

◆やまかっこと不等号

やまかっこのつもりで不等号を使っているケースもめだちます。特に、ニュースサイトの新聞・通信社の記事で、やまかっこ代わりに不等号が使われているのを見てしまうと、なんだかなあ、と思ってしまいます。たぶん、やまかっこの存在を知らないんでしょうね。

個人的には、意味のある記号類はその意味にそって使うのがベストだ、と考えています。ただ、かきことばにこだわっている人たちが比較的多い(はずの)新聞・通信社でさえこのありさまですから、現実には、あまりこだわらなくてもいいのかもしれません。