■メールソフト乗り換え案内:サンダーバード(Thunderbird)
このページの更新は終了しました。わたし自身が、サンダーバードからシーモンキーにのりかえたからです。そんなわけで、「■ブラウザー・メールソフトのりかえ案内――シーモンキー(SeaMonkey)」、「■シーモンキー(SeaMonkey)をカスタマイズ」をどうぞ。
いまや「クラウド」ばやり。メールもローカルじゃなくてリモート(つまり、どこかのサーバー)に保管しておく時代、なんてことがいわれます。まあ、リモートが信頼できるならそれでいいんでしょうが、メールはローカルに保存しておきたい、という人もまだまだいるでしょう。
そんなときに使えるメールソフトの1つが、だれでも無料で使えるモジラ・サンダーバード(Mozilla Thunderbird)です。
「ブラウザー乗り換え案内:ファイアーフォックス(Firefox)」と同じように、このページだけで、インストールから各種の設定まで、ざっくりと説明します。長くなりますが、どうぞお読みください(サンダーバードをカスタマイズする方法については「サンダーバード(Thunderbird)をカスタマイズ:配色やフォントなどを自分好みに!」をどうぞ)。
サンダーバードの最新バージョンは「24」系です。
1. ダウンロードしてインストールしよう
モジラジャパンのサンダーバードのページから、ファイルをダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると、インストールがはじまります。ウィンドウズビスタ、ウィンドウズ7を使っている人は「ユーザーアカウント制御」というダイアログボックスが表示されるので、「はい」を選びます。インストールについて特にむずかしいことはないので、「次へ」ボタンを押していけばいいでしょう。
念のため、以下のフォルダーの場所をおぼえておきましょう。「\」マークが出てきてわけがわからない、という人もいると思いますから、フォルダーをダブルクリックして開いていく順番を、Cドライブから順に書いておきました。
- 【サンダーバードをインストールした場所】
-
ウィンドウズXP、ウィンドウズビスタ、ウィンドウズ7ともに、
- C:\Program Files\Mozilla Thunderbird
- Cドライブ→「Program Files」→「Mozilla Thunderbird」
- 【各種設定ファイルのある場所】
-
ウィンドウズXPの場合は、
- C:\Documents and Settings\(ユーザー名)\Application Data\Thunderbird\Profiles\(意味のないアルファベットの文字列)
- Cドライブ→「Documents and Settings」→「(ユーザー名)」→「Application Data」→「Thunderbird」→「Profiles」→「(意味のないアルファベットの文字列)」
- C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\(意味のないアルファベットの文字列)
- Cドライブ→「ユーザー」→「(ユーザー名)」→「AppData」→「Roaming」→「Thunderbird」→「Profiles」→「(意味のないアルファベットの文字列)」
- 【送受信したメールのある場所】
-
ウィンドウズXPの場合は、
- C:\Documents and Settings\(ユーザー名)\Application Data\Thunderbird\Profiles\(意味のないアルファベットの文字列)\Mail
- Cドライブ→「Documents and Settings」→「(ユーザー名)」→「Application Data」→「Thunderbird」→「Profiles」→「(意味のないアルファベットの文字列)」→「Mail」
- C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\(意味のないアルファベットの文字列)\Mail
- Cドライブ→「ユーザー」→「(ユーザー名)」→「AppData」→「Roaming」→「Thunderbird」→「Profiles」→「(意味のないアルファベットの文字列)」→「Mail」
各種設定ファイルのある場所のことを、「プロファイルフォルダー」とか「プロファイルディレクトリー」といっています。プロファイルフォルダーが「意味のないアルファベットの文字列」になっているのは、大切なメールなどの情報のありかを、できるだけわかりづらくするため。要するに、セキュリティーをすこしでも高めるためにこうした名前をつけている、というわけです。
プロファイルフォルダーをかんたんに開きたいときは、メニューの[ヘルプ]→[トラブルシューティング情報]を選んでください。「プロファイルフォルダ」の「フォルダを開く」ボタンを押すと、プロファイルフォルダーを開くことができます。
さて、サンダーバードを最初に立ち上げると、「システム統合」という画面を表示します。これは、そのまま「既定として設定」ボタンを押しておけばいいでしょう。
続いて、新しいメールアカウントの取得画面(「新しいメールアドレスを使いたい方」)が表示されます。この画面は、「メールアカウントを設定する」ボタンを押してスキップしてください。メールアカウント設定の画面が表示されたら、名前・メールアドレス・パスワード――を入れておきましょう。名前などを入れ終わったら、「続ける」ボタンを押します。
たいていのプロバイダーなら、サンダーバードがモジラのデータベースを検索して、ユーザー名や受信サーバー、送信サーバーを設定してくれます。これでよければ、「完了」ボタンを押しましょう。ダメなときは、「手動設定」ボタンを押して、自分で設定することになります。
受信サーバーや送信サーバーへの接続が暗号化されていない場合、こんな警告メッセージが表示されます。親切といえば親切なんですが……警告されたところで、プロバイダーのメールを使っているユーザーにできることはなにもありません(プロバイダー側が接続の暗号化に対応する必要があるので)。チェックをつけて「完了」ボタンを押してください。サンダーバードはメールを受信して、この画面をとじます。
さて、左側にある「受信トレイ」をクリックしてみてください。
ウィンドウは大きく3つの枠にくぎられています。それぞれの枠を「ペイン」(pane)といいます。左にあるのが「フォルダーペイン」、右上にあるのが「メッセージリストペイン」(スレッドペインともいいます)、右下にあるのが「メッセージペイン」。かなりめんどうな言い方ですが、とりあえずおぼえておいてください。
なにかわからないことがあったら、とりあえず、サンダーバードのヘルプを参照してみるといいでしょう。メニューの[ヘルプ]→[Thunderbirdヘルプ]を選ぶと、ブラウザーが立ち上がって、サンダーバードのヘルプサイトが表示されます。ヘルプサイトでは、キーワードで検索できるようになっています(日本語に翻訳されていないコンテンツもあるようですが)。
2. 最初に設定することは?
サンダーバードを使いはじめる前に、設定をきちんとつめておきましょう。サンダーバードの設定は、アカウント固有の「アカウント設定」と、サンダーバードの動作全般にかかわる「オプション」にわかれています。
◆「アカウント設定」を設定する
メニューの[ツール]→[アカウント設定]を選びましょう。アカウント設定を変更したら、サンダーバードを終了して、立ち上げなおしてください。
【名前やメールアドレス、署名の設定】
まずは、いちばん左上にあるアカウントの名前をクリックしましょう。
ここでは、自分の名前やメールアドレス、署名などを設定します。
サンダーバードでは、本文と署名のくぎりに、図のようなくぎりマークがつきます。
このくぎりマークは、半角のマイナス記号2つと半角のスペース1つを組み合わせた「-- 」。インターネットにかかわるさまざまな技術の事実上の標準を決めた文書「RFC」(Request for Comment)で言及されています。具体的には「RFC3676 The Text/Plain Format and DelSp Parameters」(2004年2月)。RFC3676は、それまでの「RFC2646 The Text/Plain Format Parameter」(1999年8月)を置き換える文書です(そのためRFC2646は、現在では廃止文書となっています)。なお、RFCの原文は「RFC-Editor Webpage」からダウンロードできます。
RFC3676のくぎりマークについて書かれた部分を引用して、ついでに翻訳しておきましょう。
4.3. Usenet Signature Convention
There is a long-standing convention in Usenet news which also commonly appears in Internet mail of using "-- " as the separator line between the body and the signature of a message. When generating a Format=Flowed message containing a Usenet-style separator before the signature, the separator line is sent as-is. This is a special case; an (optionally quoted or quoted and stuffed) line consisting of DASH DASH SP is neither fixed nor flowed.
【翻訳】
4.3. ユーズネット(Usenet)での署名のしきたり
ユーズネットニュースでは長年にわたって、メッセージの本文と署名との間にくぎり行として「-- 」を使うというしきたりがあって、このしきたりは、インターネットメールでもよく見られるものです。署名の前にユーズネットスタイルのくぎり行をふくむ「Format=Flowed」メッセージを生成するとき、くぎり行はそのままの形で送信されます。これは特例です。「ダッシュ、ダッシュ、スペース」で構成されている行(また、この行が引用されているとき、あるいはこの行が引用されてスペースをつめこまれているとき)は、「Format=Flowed」でもありませんし、「Format=Fixed」でもありません。
「Format=Flowed」とは、1段落につき1改行(flowed)という書式(format)のメール。ワープロソフトなどで文章を書くときと同じような改行の入れ方をしたメール、と考えてください。一方、ふつうのメールは、1行の文字数をあらかじめ(半角70字などと)指定して改行しますよね。こうしたメールの書式が「Format=Fixed」です。
話がよこにそれちゃいましたが(笑)、RFC3676では「DASH DASH SP」(ダッシュ、ダッシュ、スペース)となっているこのくぎりマークを、サンダーバードは忠実につけるようにしているんですね。
このくぎりマークが気に入らない!という場合は、とりあえず、
- メールを書くたびに、くぎりマークを削除する
- くぎりマークがある、ということを前提にした署名を作る
などとしてください。
なお、くぎりマークをつけないようにすることもできます。くぎりマークをつけない設定については、もうすこしあとで説明しましょう。
【サーバ設定】
続いて、「サーバ設定」をクリックします。
新着メッセージの確認間隔など、サーバーにかかわる設定はここでします。設定はお好みでどうぞ。
【テキスト形式のメールを送る設定】
最後に、「編集とアドレス入力」をクリックします。
ここでは、「HTML形式でメッセージを編集する」のチェックをはずします。こまった初期設定ですが、開発者がこういう考え方なんですから、どうしようもないですね。
あと、「返信時には元のメッセージを自動的に引用する」にチェックをつけ(チェックはついているはずですが)、キャレット(カーソルのこと)の初期状態を「引用部の上」にしておくといいでしょう。
◆「オプション」を設定する
メニューの[ツール]→[オプション]を選びましょう。オプションを変更したら、サンダーバードを終了して、立ち上げなおしてください。
【スタートページの設定】
まずは、「一般」アイコンをクリックしましょう。
サンダーバードを立ち上げたとき、メッセージペインにサンダーバードのウェブサイトが表示されます。これがスタートページです。
「起動時にメッセージペインにスタートページを表示する」のチェックをはずせば、スタートページを表示しないようにすることができます。また、「URL」欄に指定することで、外部のウェブページを表示させることもできます(ウェブページを表示させる意味は、あまりないとは思いますが)。
「新着メッセージの通知」は、サンダーバードを立ち上げっぱなしにしておく場合の設定です。このあたりはお好みでどうぞ。
【表示に使うフォントを変える】
続いて、「表示」アイコンをクリックして、「書式」タブをクリックします。
「フォント」の「詳細」ボタンを押すと、メールの表示などに使うフォントをこまかく指定できます。最初の設定では、テキスト形式のメールには「MSゴシック」が使われるようになっています。自分の好きなフォントがあるなら、それに変えてもいいでしょう。
3. サンダーバードの便利な機能:「迷惑メールフィルタ」
サンダーバードをおすすめしたい理由は、「迷惑メールフィルタ」機能です。
自分の使っているプロバイダーに迷惑メール対策サービスがない、という人もいるでしょう。サンダーバードの迷惑メールフィルタを使えば、サンダーバードが迷惑メールを自動的に判断して、「迷惑メール」というフォルダーに移動してくれます。
さっそく設定してみましょう。メニューの[ツール]→[アカウント設定]を選んでください。
すべてのメールアドレスで共通受信トレイ=ローカルフォルダの受信トレイを使っている場合は、ローカルフォルダのなかにある「迷惑メール」で設定します。一方、メールアドレスごとに受信トレイをわけている場合は、アカウントのなかにある「迷惑メール」で設定してください。もっとも、いちいち考えるのがめんどうなら、両方の「迷惑メール」で、おなじように設定しておけばいいでしょう。でもって、設定の内容は……。
迷惑メールの学習フィルタは、最初の設定で有効になっています。そのうえで、「迷惑メールと判断された受信メッセージを次のフォルダーに移動する」にチェックをつけておきましょう。移動先は「迷惑メールフォルダ」にしておけばいいでしょう。移動先をごみ箱にしてもいいんですが、そのときはかならず、受信した迷惑メールを確認するようにしてください。必要なメールが迷惑メールと判断されてしまうことがあるからです。
続いて、「共通の迷惑メール設定」ボタンを押してください。オプションの画面が表示されるので、「迷惑メールであると手動でマークしたときに次の処理を実行する」([迷惑メール]フォルダーへ移動する)と、「迷惑メールと判断したメッセージを既読にする」にチェックをつけておきます。
これだけ設定すれば、
- サンダーバードが迷惑メールだと判断したメール
- 自分で迷惑メールマークをつけたメール
が、自動的に「迷惑メール」フォルダーに入るようになります。
もっとも、“迷惑メールと判断されない迷惑メール”もありますから、そんなときは、「これが迷惑メールなんだよ」ということをサンダーバードに教えてやりましょう。
“迷惑メールと判断されない迷惑メール”を受信したら、メッセージリストペインでそのメールをクリック。次に、メッセージペインの「迷惑マークを付ける」ボタンを押しましょう。こんなふうに、メールに「迷惑メールマーク」がつきました。
迷惑メールマークがついた瞬間に、そのメールは「迷惑メール」フォルダーに移動します。こうした作業をくりかえしていくことで、サンダーバードは、どんなメールが迷惑メールなのか、ということをどんどん学習していってくれるんですね。迷惑メールフィルタは、一度使うと、もう手放せない機能でしょう。
“迷惑メールじゃないのに迷惑メールと判断されてしまったメール”については、メッセージリストペインでそのメールをクリック。メッセージペインの「非迷惑メール」ボタンを押しましょう。これで迷惑メール判定が解除されます。あとは、自分で、受信トレイへ移動させてください。
4. 設定を変えて、もうすこし便利にしよう
サンダーバードは、自分好みの設定にすることができます。便利な設定のいくつかを紹介しておきましょう。
◆ツールバーをカスタマイズする
メニューの[表示]→[ツールバー]→[カスタマイズ]を選ぶと、こんな設定画面が表示されます。たとえば、ツールバーに「返信」ボタンを追加したければ、この設定画面にある「返信」ボタンをツールバーにドラッグ&ドロップするだけ。カスタマイズといっても、かんたんにできますよね。
◆引用部分の記号を「>」にする
サンダーバードでは、引用部分の記号として「|」を使います。ずーっと前のバージョンからこうなっていて、開発者のみなさんはこれがいいと判断しているんでしょうね。わたしは、「|」はわかりづらいと思っています。
そこで、引用部分の記号を「>」にしておきましょう。メニューの[ツール]→[オプション]を選んで、「詳細」アイコンをクリック。「一般」タブの「高度な設定」欄にある「設定エディタ」ボタンを押してください(警告画面が表示されたら、「細心の注意を払って使用する」ボタンを押しましょう)。
設定エディタの「フィルタ」欄に「mail.quoted_graphical」と入れると、この設定が表示されます。設定部分をダブルクリックして、「値」を「false」に変えましょう。
サンダーバードを再起動すると、受信メールについては、引用部分の行頭が「>」で表示されるようになります。
一方、メールを送信するとき(つまり、メールを作成するとき)の引用記号は、メールをテキスト形式で編集するか、HTML形式で編集するかによってちがいます。前にも書いたように、「アカウント設定」の「編集とアドレス入力」で、「HTML形式でメッセージを編集する」のチェックをはずしておけば(つまり、テキスト形式でメールを編集するように設定しておけば)、引用記号は「>」になります。
◆返信メッセージの「〜 wrote:」を表示しない
サンダーバードで返信メールを書くとき、引用部分の上に「〜 wrote:」というフレーズが入ります。このフレーズのことを「返信ヘッダー」といいます。
返信ヘッダーの最初の設定が「〜さんは書きました:」となっていたのはサンダーバード2.0系だけで、あとのバージョンではすべて「〜 wrote:」となっています。わたしは、“なかみは日本語だけど、返信ヘッダーは英語”などというメールはみたくないですが、そんなことはどうでもいいという人が(開発者をふくめて)大多数なんでしょうね。
この返信ヘッダー、いっそのこと消してしまいましょう。メニューの[ツール]→[オプション]を選んで、「詳細」アイコンをクリック。「一般」タブの「高度な設定」欄にある「設定エディタ」ボタンを押してください。
設定エディタの「フィルタ」欄に「mailnews.reply」と入れると、「mailnews.reply_header_type」という設定名がまんなかあたりに表示されます。
「mailnews.reply_header_type」をダブルクリック。値を「0」にします。あとは、設定エディタやオプションの画面を閉じていってください。これで、「〜 wrote:」は表示されなくなります。
◆署名のくぎりマーク「-- 」をつけない
署名のくぎりマーク「-- 」は、いってみればあまりにも伝統的。もうそんなくぎりマークはいらないよ、という人もいるでしょう。そんなときは、このくぎりマークをつけないようにしておきましょう。
メニューの[ツール]→[オプション]を選んで、「詳細」アイコンをクリック。「一般」タブの「高度な設定」欄にある「設定エディタ」ボタンを押してください。
設定エディタのフィルタ欄に「mail.identity.default.suppress_signature_separator」と入れると、この設定が表示されます。設定部分をダブルクリックして、「値」を「true」に変えましょう。
これで、署名のくぎりマーク「-- 」がつかなくなります。
◆ベーシックテーマやハイコントラストテーマでタイトルバーをまともな表示にする(ウィンドウズ版)
サンダーバード「17」になってから、ウィンドウズのベーシックテーマ(たとえば「Windows7ベーシック」とか「Windowsクラシック」)やハイコントラストテーマをえらんでいると、タイトルバーがまともに表示されません。どんな表示になるかというと……、こんな感じです。
タイトルバーをまともに表示するには、設定エディタのフィルタ欄に「mail.tabs.drawInTitlebar」と入れて、値を「false」に変えてください。
こういう現象がバグなのか仕様なのか、私は知りません。ですが、こういう現象の回避方法が設定エディタから設定を変更するしかない、というのは、ソフトウェアのつくりとしてまちがっています。もっとも、いまだに修正されないところをみると、そんなことはどうでもいいという人が(開発者をふくめて)大多数なんでしょうね。ひどいとしかいいようがありません。
2006年にサンダーバードの紹介記事を書いてから、もう、ずいぶん時間がたちました。そろそろサンダーバードとさよならする時期かもしれません。
5. 便利な拡張機能を使ってみよう
ファイアーフォックスと同じく、サンダーバードにも、さまざまな機能を追加する「アドオン」(拡張機能)が用意されています。どんなアドオンがあるのかは、メニューの[ツール]→[アドオン]を選んでみてください。新しいタブがひらいて、そのなかにアドオンの一覧が表示されます(アドオンマネージャ)。
左上の「アドオン入手」をクリックしてください。下のほうにある「Browse All add-ons」をクリックすると、サンダーバード用アドオンのページが新しいタブで開きます。
ここでは、
- メッセージに定型文を挿入する「クイックテキスト」(Quicktext)
を紹介します。
なお、インストールした拡張機能は、メニューの[ツール]→[アドオン]で確認できます。並びはアルファベット順です。
いろいろなアドオンについての解説サイト、「Mozilla Firefox Thunderbird の拡張あれこれ」もどうぞ。
◆クイックテキスト(Quicktext)
作者のウェブサイト「Quicktext - Hesslow Extensions」か、「Quicktext :: Add-ons for Thunderbird」へ行って、クイックテキストの最新版(バージョン番号の新しいほう)をダウンロードして、ファイルをてきとうな場所に保存してください。
サンダーバードを立ち上げて、メニューの[ツール]→[アドオン]を選び、歯車アイコンをクリック。メニューの[ファイルからアドオンをインストール]を選び、ダウンロードしたファイルを選んでください。
こんな画面が出てくるので、「今すぐインストール」ボタンを押して、インストールします。インストールが終わったら、「今すぐ再起動」をクリックして、サンダーバードを立ち上げなおします。
メニューの[ツール]→[Quicktext]を選ぶと、こんな画面が表示されます。まずは、左上の「グループを追加」ボタンを押してください。
右側に「新しいグループ」というグループタイトルが表示されるので、これを「あて名」などといった名前にしておきます。
次に、「テンプレートを追加」ボタンを押します。そうすると、「あて名」グループにテンプレートを追加することができます。テンプレートタイトルは「名前とあいさつ」などとしておきましょう。「挿入形式」は「テキスト」のままにしておきます。
テンプレートのなかみは、タイトルの下にある枠のなかに作ります。テンプレートには、「お世話になります。」といった文を自分で入れることができます。また、右側にある「タグ」と書かれた部分をクリックして、あて先の名前などを入れることもできます。
ちなみにわたしは、こんな定型文を作ってみました。
- [[TO=fullname]]……タグの「宛先」→「名前」を選んだもの
- [[TO=email]]……タグの「宛先」→「メール」を選んだもの
テンプレートでは、「<」や「>」は使えません。わたしとしては、「なまえ <メールアドレス>」というあて名にしたかったんですが、ムリでした(テンプレートが保存されない。すでにあるテンプレートも消えてしまう)。
定型文をつくったら、下にある「保存」ボタンを押してから、「閉じる」ボタンを押してください。
この定型文を実際のメッセージで使うには……。
メッセージの作成画面の件名の下に「名前とあいさつ」と書かれたボタンができているはずです(1つのグループに複数のテンプレートを設定すると、「あて名」というグループ名のボタンが表示されます)。このボタンを押すと、メールの先頭に定型文が入る、というしくみ。
クイックテキストは便利に使える拡張機能なので、ぜひ、お試しください。クイックテキストには、有料の「クイックテキストプロ」もありますが、通常は、ここで紹介した無料版のほうで十分でしょう。
6. 「テーマ」や「完全テーマ」で気分を変えよう
みため(外観)を変えたところで、メールソフトの機能は変わりません。でも、メールソフトは毎日使うソフトだけに、みためを変えればすこしは気分もちがってくるでしょう。
サンダーバードには、みためを変える2つの方法があります。1つは「テーマ」。テーマでは、メニューバーからタブバーまでと、いちばん下に表示されるステータスバーのみためを変えることができます。もう1つは「完全テーマ」。完全テーマでは、サンダーバード全体(オプション画面などもふくむ)のみためを変えることができます。
テーマも完全テーマも、アドオンとしてたくさん用意されています。
テーマや完全テーマを変えるときは、メニューの[ツール]→[アドオン]を選んで、左上の「アドオン入手」をクリック。下のほうにある「すべてのアドオンを見る」をクリックしてください。上のほうにあるメニューで「テーマ」を選べばいいでしょう。
テーマのページでは、サンプル画像の上にマウスポインターを乗せると、そのテーマが一時的に適用されます。気に入ったテーマがあったら、「Thunderbirdへ追加」ボタンを押しましょう。テーマは、サンダーバードを再起動しなくても適用されます。
完全テーマのインストールのしかたは、アドオンと同じです。ファイアーフォックスを再起動すると、インストールした完全テーマが適用されます。
7. サンダーバード本体や拡張機能をアップデートするとき
メニューの[ツール]→[オプション]を選んで、「詳細」アイコンをクリック。「更新」タブを見てください。
最初の設定では、上の図のように
- サンダーバードの更新が見つかったら、自動的にインストールする
ようになっています。つまり、サンダーバード本体のアップデートは、自動的にやってくれるんですね。基本的には手間いらず。アドオンが新しいバージョンのサンダーバードに対応していないときも、そのむねのメッセージが出ます。ふつうに使っているぶんには、特に問題は起こらないでしょう。
*
というわけで、サンダーバードのインストールから設定まで、ざっくりと説明してきました。メールソフトの乗り換えなんてめんどうなだけ、と思っている人もいるでしょうが、これだけやっておけばいいわけですから、それほど手間じゃないと思います。特に、「迷惑メールフィルタ」機能は便利でしょう。みなさんもこの機会にぜひ、サンダーバードを試してみてください。