■マスターページをレイアウト用紙として使ってみる

パーソナル編集長では、メニューの[表示]→[表示オプション]を選んで、「ダミー文字を表示する」にチェックをつけると、本文枠やコラム枠のなかにダミー文字(□)が表示されます。ところがこのダミー文字、実際に文字を入力した部分は消えてしまって、表示されません。

ダミー文字は、レイアウトのめやすとして使うもの。そんなわけで、パーソナル編集長でつねにダミー文字を表示するくふうを紹介しましょう。

1. レイアウトの考え方

ページをレイアウトしていくときには、見出し類、図版類(写真、イラスト、表組みなど)、図版類のキャプション――などといった「パーツ」を、自分の好きな大きさで配置していきますよね。

このときみなさんは、それぞれのパーツの大きさをどんなふうに決めていますか? 多くの人は、ページのなかでのバランスを考えながら、「これくらいかな〜」とおおざっぱに決めているんじゃないかと思います。

バランスを考えるのはとても大切。ただ、おおざっぱに大きさを決めるのではなく、「○字×△行」の大きさ、という“めやす”にもとづいて決めると、全体のバランスがとりやすくなります。

「○字×△行」というのは、本文の文字の組み方。つまり、本文の文字の大きさや行送りを基準にして、見出し類などの大きさを決めていく、というやり方ですね。

こうしたやり方でレイアウトを進めていくためには、ダミー文字はつねに表示されていないと意味がありません。

2. マスターページをレイアウト用紙にする

パーソナル編集長には、すべてのページの後ろ側に配置される「マスターページ」という特別なページがあります。このマスターページにダミー文字を置いておけば、すべてのページでダミー文字が表示されることになります。

ここでは、「本文枠を設定する(1)」「本文枠を設定する(2)」で作った「40字×40行」の本文枠を例にして、手順を説明していきます。

◆本文枠の「左から」「上から」「幅」「高さ」を確認する

本文枠の大きさを確認する画像 まずは、本文枠の大きさを確認しましょう。メニューの[書式]→[基本ページ]を選んで、「本文枠」タブをクリック。本文枠の「左から」「上から」「幅」「高さ」を確認してください。

単に確認するだけじゃなくて、数値をメモしておいてくださいね(もちろん、紙にメモする必要はなくて、たとえば、パーソナル編集長に付属するテキストエディタ「プチエディット」なんかに書いておいてもかまいません)。

◆ダミー文字を入れるコラム枠を置く

マスターページを表示したところの画像 続いて、本文枠が選択されている(本文枠が文字を入力できる状態になっている)ことを確認して、メニューの[ページ]→[マスターページ1へ]を選びましょう。これで、マスターページが表示されます。

まんなかに表示されている四角い枠は、この位置に本文枠がありますよ、というめじるしです。そして、この位置に、おおざっぱでかまわないので、コラム枠を作って、置いてください。

◆ダミー文字を入れるコラム枠を設定する

コラム枠を置いたら、コラム枠を右クリック。メニューの[コラム枠属性]を選びましょう。

コラム枠の「サイズ」タブの画像 「サイズ」タブをクリックして、「左から」「上から」「幅」「高さ」を本文枠と同じ数値にします。

数値を入れたら、「位置と大きさをロックする」「印刷しない」にチェックをつけてください。これで、このコラム枠は動かせなくなりましたし、印刷されることもなくなりました。

なお、「位置と大きさをロックする」にチェックをつけると、数値が入れられなくなります。「左から」などの数値を先に入れるようにしましょう。

コラム枠の「余白/段組み」タブの画像 次に、「余白/段組み」タブをクリック。「枠内余白」の「上」「下」「左」を「0.00」ミリに、「右」(ぶら下げぶんの余白)を1字分の大きさにします。例としてあげている本文枠では、本文の文字の大きさが14級ですから、右の枠内余白は3.5ミリにします。

続いて、「文字」タブをクリック。フォントを選びます。

コラム枠の「文字」タブ(フォント)の画像

フォントは、本文枠で使っているフォントに合わせます。ただし、和文フォントも欧文フォントも、すべてのフォントを等幅フォントにしてください。ここでは「MS明朝」にしています。

なお、本文枠で使っているフォントの文字ズレ対策として、「日本語フォントの内部レディング部を行の始まりに含める」と「欧文フォントの内部レディング部を行の始まりに含める」にチェックしている場合は、コラム枠でも同じように設定してください。文字ズレ対策ってなに?という人は、このサイトのコンテンツ「パーソナル編集長と“高品質な和文フォント”との相性」をどうぞ。

コラム枠の「文字」タブ(文字)の画像 それから、文字の色を「うすい灰色」にしておきましょう。灰色じゃなくてもかまいませんが、ダミー文字なので、うすい色にしておいたほうがいいでしょう。

最後に「組版処理」タブをクリックしましょう。

コラム枠の「組版処理」タブの画像

「空き量の自動調整」のチェックは、すべてはずしておきましょう。

これで、ダミー文字を入れるコラム枠の設定はおわりです。

◆ダミー文字をコラム枠に入れる

それでは、ダミー文字をコラム枠に入れましょう。……といっても、いちいち「□」を入力していくのはめんどうですよね。そこで、「40字×40行」のダミー文字を入れたテキストファイル、「40w40l.txt」を用意しました。ただし、「40w40l.lzh」(151バイト)という圧縮ファイルにしてありますので、ダウンロードしたら解凍してください。解凍については、「クルミノ コーボー」のコンテンツ「メールとウェブのお役立ちメモ」「『zip』じゃない圧縮ファイルを解凍する」をどうぞ。

コラム枠に入れたダミー文字の画像 コラム枠にダミー文字を入れると、こんなふうになります。

5字ごとに「●」が入っていて、5行ごとに行数の数字が入っていますから、文字数の計算もしやすいんじゃないかと思います。

これで、ダミー文字を入れたコラム枠が完成しました。あとは、メニューの[ページ]→[ユーザーページへ]を選んで、通常のページへ戻りましょう。

マスターページのコラム枠のなかにダミー文字を入れて、本文枠に文字を入力してみました。背後に、こんなふうにすけてダミー文字が表示されます。このダミー文字が、レイアウト用紙になる、というわけ。「○字×△行」という大きさの“めやす”もつけやすくなるでしょう。

ダミー文字を表示したところの画像

なお、ダミー文字の上にイメージ枠などを置きたいときは、上に置くイメージ枠の「回り込みパターン」を「なし」にしてください。そうすれば、ダミー文字の位置がずれません。